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2020.04.15

皮膚科専門医によるニキビ・皮膚科ブログ

繰り返す口唇ヘルペス 短期間投与という選択肢もあります

こんにちは。京都市の任医院 皮膚科・美容皮膚科の医師の浅井です。

 

コロナウイルスに対して、京都からも緊急事態宣言の対象地域に追加するよう要請がなされています。

当院でもマスク着用やこまめな院内の消毒、定期的な換気などできる限りの感染対策はさせていただいています。風邪様症状がある方で、皮膚症状について疑問などありましたら来院前にまず電話にてご相談下さい。

 

外出自粛のストレスの影響もあるからか、帯状疱疹や単純ヘルペスの患者さんが最近とても多いです。帯状疱疹は水痘帯状疱疹ヘルペス、単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが原因で発症します。

 

単純ヘルペスは小さな水ぶくれができ痛みやかゆみを伴います。再発を繰り返すことも多く、年に数回発症して悩まれる方も多いです。口唇にできると口唇ヘルペス、陰部にできると性器ヘルペスと呼ばれます。

単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、生涯にわたって神経に潜伏します。普段は免疫で抑えられているため症状は出ませんが、発熱や疲労、ストレスで免疫が低下してウイルスが活動し始めると症状が出てきます。

 

そんな単純ヘルペスですが、口唇ヘルペスに対しては今までは症状が出たときに内服するという治療が一般的でしたが、最近になって新たな治療法がでてきました。PITによる短期間投与です。

 

PITって何?

 

と思われる方がほとんどだと思います。

 

Patient Initiated Therapy の略で、あらかじめ処方された薬剤を初期症状(チクチクするような痛み、ピリピリ、ムズムズといった違和感、かゆみなど)がでたときに患者さんご自身の判断で服用開始する治療方法です。

 

再発性単純ヘルペスに対する薬の内服は、早ければ早いほど効果が期待できるとされています。それでも、お仕事や子育て、学校で忙しかったりで、初期症状の時点で医療機関を受診できている方は少ないのが現状です。

 

そのような方でも、時間が取れる時にクリニックを受診してあらかじめ薬を処方してもらっておけば、ムズムズや違和感がでてきたときにすぐ薬を飲み始めることができます。

この治療法はファムビルという薬にのみ認められている方法です。繰り返す口唇ヘルペスでお悩みの方はぜひご相談ください。