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2023.03.28

皮膚科専門医によるニキビ・皮膚科ブログ

単純ヘルペス再発抑制療法(PIT)  選択肢が増えました

単純ヘルペスは小さな水ぶくれができ痛みやかゆみを伴います。

 

再発を繰り返すことも多く、年に数回発症して悩まれる方も多いです。口唇にできると口唇ヘルペス、陰部にできると性器ヘルペスと呼ばれます。

 

 

単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、生涯にわたって神経に潜伏します。普段は免疫で抑えられているため症状は出ませんが、発熱や疲労、ストレスで免疫が低下してウイルスが活動し始めると症状が出てきます。

 

 

内服薬はウイルスが増殖しているときに効果を発揮するので、できるだけ早く内服し始めることが重要です。外用では効果が限定的なので、通常は内服で治していきます。

 

 

そんな単純ヘルペス。以前にもご紹介しましたが、今はPITという再発を予防、治癒するまでの日数を短くする治療法があります。

 

 

PITって何?

 

 

Patient Initiated Therapy の略で、あらかじめ処方された薬剤を初期症状(チクチクするような痛み、ピリピリ、ムズムズといった違和感、かゆみなど)がでたときに患者さんご自身の判断で服用開始する治療方法です。

 

 

再発性単純ヘルペスに対する薬の内服は、早ければ早いほど効果が期待できるとされています。それでも、お仕事や子育て、学校で忙しかったりで、初期症状の時点で医療機関を受診できている方は少ないのが現状です😥

 

 

そのような方でも、時間が取れる時にクリニックを受診してあらかじめ薬を処方してもらっておけば、ムズムズや違和感がでてきたときにすぐ薬を飲み始めることができます😊

 

 

この治療法はファムビルという薬にのみ認められている方法でしたが、先日アメナリーフという新たな薬も仲間に加わりました。

 

 

 

 

 

 

 

アメナリーフは以前から帯状疱疹に対して保険適用で日本発のヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬です。

 

ウイルスが増殖していく初期の段階で効果を発揮するので抗ウイルス活性が高いのが特徴です。また、腎機能が悪くても用量を減らす必要がないというのも大きな特徴です。

 

違いはいくつかありますが、まずは内服方法

 

初期症状(幹部の違和感、灼熱感、掻痒など)が発現後6時間以内に1回内服するのがアメナリーフ

 

 

 

 

 

初期症状発現後6時間以内に1回、その12時間後にもう一回内服するのがファムビルです。

 

 

 

 

 

 

持ち歩きに便利なPIT専用携帯ケースも薬局でもらえます⭕

 

 

次の違いは予防効果

 

 

アメナリーフは内服による予防効果は約50%、ファムビルは約30%とアメナリーフの方が予防効果が高くなっています。

 

 

最後の違いは価格

 

アメナリーフは3割負担で約2300円 ファムビルは770円とアメナリーフがかなり高額になっています。

 

ファムビルのPITだと効果が不十分な方はtryしてみてもいいと思います。

 

また、ファムビルのPIT療法は年に3回以上再発を繰り返す方が対象ですが、アメナリーフは再発回数制限がありません。

 

 

 

 

別のお話ですが、単純ヘルペスかほかの疾患か紛らわしい時にその場ですぐ検査できるデルマクイックHSVというキットも発売されました。このキットにより正確な診断ができるようになりました。

 

 

 

 

 

 

ヘルペスで悩む前のPIT 気になる方はご相談ください✨