保険診療
帯状疱疹ワクチン・帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹ワクチン・帯状疱疹後神経痛
当院では帯状疱疹ワクチン(2種類)の接種を行っています。
原因・治療について
帯状疱疹にならないために ワクチン接種
辛い帯状疱疹後神経痛にならないために、当院では予防接種治療を行っております。
50歳を過ぎたら帯状疱疹の予防接種ができます。
対象は50歳以上または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方で、当院では2種類のワクチンを取り扱っています。
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① 乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
生ワクチン 皮下に1回接種
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② 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックスⓇ筋注用)
不活化ワクチン 2ヶ月の間隔をあけて筋肉内に2回接種
帯状疱疹ワクチン比較表
乾燥弱毒生水痘ワクチン 「ビケン」 |
シングリックス® | |
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ワクチンの種類 | 弱毒生ワクチン | 不活化ワクチン |
帯状疱疹 発生抑制効果 |
51.3%(接種後5年以内) | 50歳以上 97.2% 70歳以上 89.8% |
帯状疱疹後神経痛 抑制効果 |
66.5%(接種後5年以内) | 50歳以上 100% 70歳以上 85.5% |
接種方法/回数 | 皮下注射 1回のみ | 筋肉注射 2ヶ月間隔をあけて2回 |
効果持続期間 | 5年程度 | 9.6年(平均値) |
接種できない方 | 免疫が低下している方 | なし |
費用 (税込 自費診療) |
8,500円 | 22,000円 ✕ 2回 (計44,000円) |
副反応 | 接種部位の疼痛、腫脹、発赤 | 接種部位の疼痛、腫脹、発赤、筋肉痛、疲労、胃腸症状、頭痛、悪寒、発熱 |
メリット | シングリックスより安い 1回接種 |
予防効果が高く、予防期間も長い 免疫が低下している方でも接種可能 |
デメリット | 予防効果、期間が劣る 免疫が低下している方は接種できない |
費用が高額 2回接種必要 副反応がでやすい |
シングリックスの方が効果が高いですが、筋肉注射ですので、痛み、副反応(注射部の腫れ、痛み、倦怠感など)が出やすく、2回接種が必要となります。
持病でステロイドや免疫抑制剤を内服している方や抗がん剤治療中で免疫が低下している方は生ワクチン接種ができないため、②の接種が適応となります。
当院では①②両方の接種を行っています。
帯状疱疹のワクチン接種 価格
自費診療となります
価格 | |
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① ビケン生ワクチン | 1回 8,500円 |
② シングリックス | 1回 22,000円 2回 44,000円 |
価格はすべて税込みです
予約制となりますので、ご希望の方は一度当院受診の上ご相談ください。
また、当院ペインクリニックでは、帯状疱疹後神経痛の診察も行っております。ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。
帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、強い痛みと水ぶくれがでてくる病気で、加齢などによる免疫力の低下が発症の原因です。
疲労やストレスなども発症のきっかけになります。また、糖尿病やがんなどが原因になることもあります。
50歳以上から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。
体の片方の一部にピリピリとした痛みが現れ、しばらくしたのちに赤い皮疹が出てきます。それが徐々に水疱になっていきます。
痛みは個人差がありますが、徐々に増して夜も眠れないほど痛い場合もあります。
症状はおなか、背中などの上半身が多いですが、顔や目、耳に現れると重症化し入院治療が必要な場合もあります。
帯状疱疹は、多くの人が子供の時に感染する水ぼうそうのウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こります。
このウイルスは、初めて感染したときは水ぼうそうとして発症しますが、治った後も長い間体(神経節)に潜んでおり、普段は自分の免疫力によって活動が抑えられています。
それが年齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが活性化し、神経に沿って移動し皮膚に到達することで帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹の患者層
50歳以上から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。(ピークは70歳代)
日本人成人の90%以上がウイルスを体内に持っていると考えられているため、ほとんどの方が帯状疱疹になる可能性があります。
主な合併症 帯状疱疹後神経痛
神経がウイルスによって損傷を受けることで、皮膚が治った後も痛みが続く場合があります。3ヶ月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼びます。
帯状疱疹後神経痛の痛みは特有の「針で刺すような痛み」「ぴりぴりする痛み」と表現され、数年持続する方もいます。
50歳以上では約2割の方が帯状疱疹後神経痛を伴うと言われています。
特に高齢の方はリスクが高く、神経痛を防ぐためにも帯状疱疹の予防が大切です。
帯状疱疹の治療
早期発見、早期治療が大事です。
帯状疱疹の治療は保険で行い、抗ウイルス薬内服によって行います。皮膚症状が重症の場合は外用治療、痛みが強い場合は鎮痛剤内服治療も並行して行います。
顔面の場合、視力障害やめまい、耳鳴りといった症状も出る場合があるので眼科、耳鼻科と連携して治療する場合もあります。