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2021.09.27

皮膚科専門医によるニキビ・皮膚科ブログ

難治性ニキビ治療 イソトレチノイン

任医院では開院当初からニキビ治療に力を入れています。

 

本ブログでもニキビの治療については最初にお話しました。

 

当院では保険治療が一番と考えており、初診で来られた方にはまずニキビのでき方、塗り薬がどこにどのように効くのか、治療方針や外用方法などについて医師やスタッフから詳しくご説明させていただいています。

 

またニキビ跡に関しては早めの治療が肝心なので、ご希望の方にはダーマペンやケミカルピーリングなどの自費診療に関しても併せてお話しています。

 

それでもなかなか治らないニキビの方は残念ながらいらっしゃいます。ベピオ、デュアック、エピデュオゲルでが肌に合わずにかぶれてしまう方もいます。

 

保険治療で治りきらない方や、1回治ってもまた出てくる方など、様々ですが、ぼこぼことしたしこりをふれる「膿腫型」のニキビは治りにくいです。奥の方にニキビのもとがあるため、塗り薬が効きにくいのです。

 

そういった方のために、イソトレチノイン療法を開始しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イソトレチノインは海外では保険適応で効果が実証されている治療薬ですが、日本では適応がないため自費診療となります。

 

イソトレチノインはにきびにおける角化の異常を改善し、皮脂の分泌を抑えることで治療効果を出します。

 

保険の飲み薬や塗り薬で治りきらない場合、ぼこぼことした強い腫れやしこりを伴うにきびには非常に効果的です。

 

 

標準的な治療期間は4~6か月間です。内服後も効果が長期間持続することが多いですが、再発がみられた場合には、再度4~5ヶ月の内服を行います。

 

 

ただ、効果があるだけではなく副作用もあります。一番重大な副作用は催奇形性で、短期間であってもイソトレチノインを服用中に妊娠した場合、胎児が重度の先天異常が起こりうる危険性が極めて高いお薬です。

 

妊娠中の方、妊娠の可能性がある方、妊娠を希望されている方、授乳中の方、妊娠している場合はこの治療は受けられません。治療期間中は避妊が必要となります。

 

 

上記の他にも肝機能異常や高脂血症がまれな副作用として挙げられるため、内服開始時と治療から1ヶ月後に採血を行います。用量を増量した場合も、適宜採血を行います。

 

この治療はニキビ治療の切り札的存在なため、治療に抵抗性の方にお話しています。ですので、初診の方には基本的にすぐにはお勧めしていません。

 

任医院ではニキビ跡をできるだけ残さないよう、保険治療を軸にしながら必要な場合はご希望に応じて患者様それぞれに最適な治療をご提案していきます。

 

あきらめる前に、一度ご相談ください。

 

アクネトレント(イソトレチノイン)

10mg 1錠330円  30錠 9900円

20mg 1錠660円  30錠 19800円  (税込)