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2024.05.15

皮膚科専門医によるニキビ・皮膚科ブログ

アトピー性皮膚炎の治療デュピクセント 小児も積極的に行っています

当院は保険診療に力を入れています。

 

 

 

患者さんの症状は様々ですが、にきび(尋常性ざ瘡)、蕁麻疹に加え、アトピー性皮膚炎の方も開院当初からたくさんご来院頂いています。

 

 

アトピー性皮膚炎の治療は日進月歩、特にここ数年は新薬が毎年発売されています。

 

 

先日ご紹介したデュピクセントは生後6か月から使えるように適用が拡大しています。

 

 

 

 

 

デュピクセントは大人は皮下に2週間に1回注射する薬です。子供は体重によって用量や間隔が変わります。

 

(2週間に1回~4週間に1回)

 

 

 

IL-4とIL-13というサイトカイン(伝達物質)の働きを直接抑えることで「炎症」や「かゆみ」、「バリア機能低下」を抑え、良い状態を長く維持することを目指す治療です。

 

 

 

 

 

 

 

大人は高額療養費制度を利用するので事前に保険者への連絡、受給者証の準備が必要など手続きが必要です。

 

 

小児の場合、京都市では小学校までは1医療機関当たり200円/月、中学校までは1医療機関当たり1500円/月までと決まっているので難しい手続きは必要ありません。

 

 

多い副作用としては結膜炎、ヘルペス感染がありますが、詳細は治療前にしっかりとご説明しています。

 

 

 

こどものアトピー性皮膚炎で一番つらいのは、症状によってその後の精神的発達に影響を及ぼす可能性があること。

 

 

 

「水泳の授業の時に友達に見られたくない」「恥ずかしい」「痒くて夜眠れない。勉強に集中できない。

 

 

このような意識が出だすと、その後のその子の性格や発達にも影響を及ぼすこともあります。

 

 

 

ひどい状態の場合はいったんデュピクセントで症状を抑え、ある程度良くなってからまた外用治療に戻るということも十分可能です。

 

 

適応には条件があり、誰でもがデュピクセントによる治療を受けられるわけではありません。

 

保湿剤をはじめとする継続的な外用治療が一番重要になることには変わりはありません。

 

何年も続くアトピー性皮膚炎や結節性痒疹、かゆみでお困りの方は一度ご相談ください。