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2021.08.25

皮膚科専門医によるニキビ・皮膚科ブログ

帯状疱疹は予防できます ~帯状疱疹ワクチンについて~

帯状疱疹は痛み、赤い水ぶくれが体の左右どちらかに帯状にできる病気で、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。強い痛みを伴うことが多く、症状は2週間以上続きます。

 

 

帯状疱疹の正体は、小さいときにかかった水ぼうそう、もしくは水痘ワクチン接種後に神経に潜んでいる「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。

 

このウイルスは、初めて感染したときは水ぼうそうとして発症しますが、治った後も長い間体に潜んでおり、普段は自分の免疫力によって活動が抑えられています。

 

それが年齢やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが暴れだし、神経に沿って移動し皮膚に到達することで帯状疱疹を発症します。

 

 

日本の大人のおよそ9割がウイルスを体内に持っていると考えられているため、ほとんどの方が帯状疱疹になる可能性があります。

 

発症するのは50代からが多く、7割が50歳以上です。まだまだ元気!!と思っていても、ゆくゆくは帯状疱疹になるかもしれません。

 

 

 

 

 

帯状疱疹が怖いのは、皮膚症状が治った後も何か月も、時には何年も痛みが残ってしまう「帯状疱疹後神経痛」が発症する可能性があるということです。50歳以上では約2割の方が神経痛に移行してしまうと言われています。

 

 

そんな帯状疱疹を予防するワクチンというのが日本で認められています。対象年齢は50歳以上で、2種類のワクチンがあります。

①子供と同じ水痘ワクチン:生ワクチン 1回接種

②シングリックス:不活化ワクチン 2回接種

 

予防効果は①が50-60%、②が90%以上とシングリックスの方が効果が高く、帯状疱疹後神経痛も①が30%軽減、②は88%軽減を見込めます。また、持続時期間は①が5年程度、②が9年以上となっています。

 

当院では①の接種を行っています。都道府県から助成のある他府県ではシングリックスを行うクリニックも多いのですが、値段が効果であること(2回接種で4万円以上)、筋肉注射で痛みを伴うことから当院では採用していません。

 

 

 

痛い帯状疱疹、予防できるならそれに越したことはありません。当院では8500円(税込み)で行っております。予約制ですので、ご希望の方は一度当院受診の上ご相談ください。