2023.05.31
ベピオローション講演会
先日、ベピオローション発売記念の講演会が東京で開催されました。
ベピオで目指せる「美肌」テクニックやざ瘡瘢痕を残さない治療戦略、ベピオローションの有効性についての講演です。
その中で印象に残ったことは、
瘢痕(萎縮性瘢痕)(2mm以上のクレーター)ミニスカー(0.5mm以上)があるのは90.8%という研究結果です。要するに、赤いにきびがある場合、すでににきび跡が併存している場合がほとんどということです。
瘢痕ができる体質は遺伝子発現の個人差があり、なりやすい方の肌には炎症反応が長期に持続していることが分かりました。
少し難しい話ですが、MMPsというたんぱく質分解酵素や関与している可能性が考えられるとのこと。MMPsは関節リウマチや動脈硬化症など多くの炎症性疾患に関与していることが知られています。
ベピオはこの活性を阻害してざ瘡瘢痕を予防できる可能性が考えられます。
ベピオの特徴
- アクネ菌の殺菌作用がある
- 角質剥離作用がある→コメドに効果的
- MMP活性を阻害する→瘢痕予防に効果的
- 耐性菌の報告がない
- 赤にきびにも、良くなった維持期にも使用できる
にきびを治していくのはベピオ、ディフェリン、デュアック、エピデュオなどによる保険診療でのコメド(白にきび)治療が肝心です。
それで赤にきびは減ってくる場合がほとんど。
が、ざ瘡瘢痕(にきび跡)は赤にきびを治した後も長く続いたり残ってしまったりします。
それを予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
ざ瘡瘢痕を残さないようにするには、急性炎症期だけでなく維持期の治療が肝心です。
にきび、にきび跡に長く続く炎症を抑えないと、にきび跡ができるリスクが上がります。
それを抑えていく維持期の治療がひいてはにきび跡治療にもつながります。
その維持期に効果を発揮するのがベピオなどによるコメド治療になります。
普段の治療でも、最低半年、できれば1年以上コメド治療を続けましょうとお伝えしています。
良くなると通院が面倒くさくなったり、刺激症状のせいで続けられなくなる方もいらっしゃいます。
学校、仕事で忙しい場合はできるだけ多めに処方したり、刺激がつらい方には対策を一緒に考えていきます。
処方が可能になったベピオローションも刺激が従来よりも少なくなったことで治療を続けやすくなることが期待できます。
にきび治療のゴールはにきび瘢痕を残さないこと
一緒ににきび跡ゼロの肌を目指して頑張りましょう😊