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2023.09.13

皮膚科専門医によるニキビ・皮膚科ブログ

今話題の帯状疱疹ワクチン 当院でも接種を行っています

今、新聞やテレビで帯状疱疹ワクチンに関する報道が多く取り上げられています。

 

 

帯状疱疹ワクチン、当院でも接種を行っています。

 

 

 

 

 

 

 

帯状疱疹とは、強い痛みと水ぶくれがでてくる病気で、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。

 

 

 

帯状疱疹の正体は、小さいときにかかった水ぼうそう、もしくは水痘ワクチン接種後に神経に潜んでいる

「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。

 

このウイルスは、初めて感染したときは水ぼうそうとして発症しますが、治った後も長い間体に潜んでおり、普段は自分の免疫力によって活動が抑えられています。

 

それが年齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが暴れだし、神経に沿って移動し皮膚に到達することで帯状疱疹を発症します。

 

50代以上の方かかりやすく、患者層は70歳代が最も多いです。

 

 

日本の大人のおよそ9割がウイルスを体内に持っていると考えられているため、ほとんどの方が帯状疱疹になる可能性があります。

 

患者は増加傾向にあり、医療機関を対象とした3年ごとの調査で、2017年は15年前の2002年に比べると2割増えていたそうです。

 

それまでは水ぼうそうの患者からのウイルスにさらされて帯状疱疹への免疫が強化されていたのが、定期接種の効果による感染者の減少でその機会が減り、ブースター効果が得られなくなったのが原因です。

 

子供や若い方の発症も見られ、新型コロナウイルス感染によりリスクが高まるとの研究も出てきています。

 

50歳以上の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患者は、診断後6か月以内に帯状疱疹を発症するリスクが高い可能性があるという研究結果もでています。(グラクソスミスクライン)

コロナ感染者の体内で、帯状疱疹のウイルスを抑える免疫機能が低下することが原因と考えられるそうです。

 

帯状疱疹が怖いのは、皮膚症状が治った後も何か月も、時には何年も痛みが残ってしまう「帯状疱疹後神経痛」が発症する可能性があるということです。50歳以上では約2割の方が神経痛に移行してしまうと言われています。

 

 

診察させていただくことも多いので、あの痛みはとてもつらいと思います。

 

夜も眠れないとおっしゃる方もいらっしゃるので、当院のペインクリニック外来を紹介することもあります。

 

帯状疱疹を早く治すには早期発見と早期治療がカギ。

 

またワクチン接種もとても有効です。

 

 

対象年齢は50歳以上で、2種類のワクチンがあります。

 

 

①子供と同じ水痘ワクチン(ビケン):生ワクチン 1回接種

 

②シングリックス:不活化ワクチン 2回接種

 

 

◆予防効果

① 50-60%

② 90%以上

シングリックスの方が効果が高いです。

 

◆帯状疱疹後神経痛の予防効果

① 30%軽減

② 88%軽減

 

◆持続時期間 

① 5年程度 

② 9年以上

 

 

②のシングリックスの方が効果が高いのですが、筋肉注射ですので痛み、副反応(注射部の腫れ、痛み、倦怠感など)が出やすいこと、2回接種が必要であることがデメリットです。また、価格も①と比べると高くなっています。

 

 

持病でステロイドや免疫抑制剤を内服している方や抗がん剤治療中で免疫が低下している方は生ワクチン接種ができないため、②の接種が適応となります。

 

当院では①②両方の接種を行っています。

 

 

 

 

 

 

◆値段 

① ビケン生ワクチン 8500円(税込)  

 

② シングリックス  1回22000円(税込) 2回で44000円(税込)

 

 

痛い帯状疱疹、予防できるならそれに越したことはありません。

 

予約制となりますので、ご希望の方は一度当院受診の上ご相談ください。